消費税増税前と増税後、どっちに家を建てるのがお得?

消費税増税後の住宅購入支援策が検討されていますが、消費税の増税前と増税後、どっちに建てるのがお得ですか?

家づくり相談に来られるお客さまから最近よくいただくご質問のひとつが「消費税増税前と増税後、どっちに建てるのがお得?」です。

2019年10月1日に消費税が8%から10%にアップすることによる消費の落ち込みを懸念して、政府はさまざまな対策を検討しています。
メディアでも「増税後が得!」とか「増税前がいい」などいろいろと書かれていますが、ライフプランシミュレーションをしてしっかりと計算をしないと実は各ご家庭で異なる結果になるんです。

2019年3月31日までに住宅建築の契約を済ませておけば、引渡しの時期が2019年10月1日を超えても消費税率は現行の8%が適用されます。
3月までにライフプランシミュレーションをしっかりと行い、増税前でも増税後でもどちらでも対応できるようにしておくことをおすすめします。

2018年12月14日に発表された2019年度の税制改正大綱に盛り込まれている住宅購入関連の支援策を整理し、消費税増税前と増税後のどちらに家を建てるのが得なのかを考えてみましょう。

税制改正大綱に盛り込まれた住宅関連の支援策

2018年12月14日に与党による2019年度の税制改正大綱が発表されました。2018年12月17日現在まだ決定ではなく年が明けてから国会での審議・成立となります。

住宅購入関連では大きく3つのポイントがあります。

  1. 住宅ローン減税、3年間期間延長
  2. すまい給付金、30万円から50万円に拡充
  3. 住宅エコポイント復活

1. 住宅ローン減税、3年間期間延長

増税前

年末の住宅ローン借入残高×1%が10年間、所得税から控除。
一般住宅では年最大40万円、認定住宅では年最大50万円が上限。

増税後

年末の住宅ローン借入残高×1%が10年間、所得税から控除。
一般住宅では年最大40万円、認定住宅では年最大50万円が上限。

11年目以降の3年間、下のいずれか小さい額が所得税から控除される。
1.住宅ローン借入残高×1%
2.建物購入価格×2%÷3
(住宅ローン借入残高、建物購入価格ともに上限は4,000万円、認定住宅は5,000万円)

ポイント

住宅ローン減税の期間が3年間延長されるのは、消費税10%で建物を購入し、2019年10月1日から2020年12月31日に入居した場合が対象となります。
消費税8%で建物を購入した場合や、消費税が課税されない中古住宅を購入した場合には3年間の延長はありません。

この施策は、購入するときに10%で支払った消費税が11年目以降に3年かけて消費税アップの2%分が戻ってくる仕組みなのですが、住宅ローン借入残高が10年間でかなり減っている場合や所得税の納税額が少ない場合には、消費税アップ分が満額戻ってくるとは限りません

住宅購入費用の全額を住宅ローンにするのか?一部を住宅ローンにするのか?
借入額と適用金利によって、増税前と増税後、どちらに住宅を購入したほうが得か変わってきます。気になる方はしっかりとシミュレーションをしておきましょう。

2. すまい給付金、30万円から50万円に拡充

一定の給付要件を満たす対象者かつ対象となる住宅を購入した場合に収入に応じてもらえる「すまい給付金」が拡充される予定です。

増税前

収入額の目安425万円以下 30万円給付
収入額の目安475万円超510万円以下 10万円給付

増税後

収入額の目安450万円以下 50万円給付
収入額の目安675万円超775万円以下 10万円給付

ポイント

すまい給付金は収入額によって給付基礎額が決まります。住宅ローン控除との併用も可能です。

対象者の収入要件が拡大されており、増税前は収入の目安が510万円以下の方が受け取れましたが、増税後は収入の目安が775万円以下の方が受け取れるようになります

3. 住宅エコポイント復活

省エネや耐震、バリアフリーなどに配慮をした住宅を新築・増改築することで、商品に交換ができるポイントが得られる「住宅エコポイント制度」が復活する予定です。

ポイント

住宅エコポイントは環境や省エネに配慮した住宅を建てたい方におすすめです。
前回の住宅エコポイント申請の時には、一部の助成金や補助金など他の優遇制度との併用ができないことがありました。正しいお得な情報を知っておきましょう。

消費税が8%で住宅を購入できるタイミング

消費税は2019年10月1日に10%に上がります。

住宅購入・建築における消費税のポイントとなるのは「契約」と「引渡し」のタイミングです。

詳しくは「住宅購入、契約と引渡しの時期でかかってくる消費税率が異なります」のページで説明していますが、2019年3月31日までに住宅建築の契約を済ませておけば、引渡しの時期が2019年10月1日を超えても消費税率は現行の8%が適用されます。

しっかりとシミュレーションをしてみて「自分たちは増税前に家を買うほうが得」と判断されたら、2019年3月31日までに契約を済ませておきましょう。

住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税枠

直系尊属である父・母や祖父母などから、子や孫などが住宅取得資金の贈与を受けた場合、消費税率によって贈与税が非課税になる限度額が変わります。
消費税8%である現在は1,200万円が非課税ですが、消費税が10%になると贈与税の非課税限度額が3,000万円に引き上げられます
詳しくは→「住宅に係る贈与税と非課税枠、相続時精算課税制度

家づくりにかかる税金で失敗しやすく、失敗してしまうとペナルティーも大きいのが贈与税です。
家づくりを検討し始めたらご家族でしっかりと話し合いを行い、贈与税について考えておきましょう。

消費税率アップの影響と今後の景気、金利動向は?

消費税率アップの影響は建物価格だけじゃない

消費税率アップの影響をもっとも受けるのは金額の大きい「建物価格」です。

でも家づくりには他にも消費税率アップの影響を受けてきます。
家を新しく建てたら「インテリア」や「家電」などを変える方は多いです。これらにも消費税は課税されますし、他にも住宅ローンの手数料なども消費税アップの影響をうけます。

「建物価格」だけでなくトータルで考えることが大切です。

今後の景気や金利動向はどうなるのか?

低金利が続いています。金融政策は現状維持ですが、今後の景気では金利がどう動くかの判断は難しいところです。

家づくりを考えるとき「今、金利が低いから買い時」とか「金利は今のまま低金利だと思うので2年後に買う」など、住宅ローン金利の動向はとても気になります。

でも金利だけで考えてはいけません。
ご家族みなさんの将来のライフプランを考えてしっかりとシミュレーションを行ったうえで、ご家族にとっていつが建てどきなのかを考えていきましょう。

消費税増税前と増税後、どっちに建てるのがお得なのか?

消費税率アップの影響を受け、そして政府の税制支援策の目玉にもなっている住宅購入。
増税前と増税後、どちらに家を建てたり購入するのが得なのか、悩ましいところですよね。

消費税増税前と増税後、どっちに建てるのがお得なのか?
それはライフプランシミュレーションをしてしっかりと計算をしないと分からないんです。

たとえば住宅ローンの借入をほとんど行わない方や年収が775万円を超える方は、住宅ローン控除(住宅ローン減税)の期間延長やすまい給付金の恩恵は受けられない可能性が高いです。
またたとえば、住宅ローン控除の期間延長の恩恵を受けるために住宅ローンを全額借り入れた場合、もしこれから10年以内にお子さまの教育費にお金がかかるとしたら、住宅ローンの返済とお子さまの教育費で生活が苦しくなってしまうかもしれません。

つまりご家庭の生活環境や将来の生活によって、消費税増税前と増税後どっちに建てるのがお得なのかはまったく変わってくるんです。

「家づくり・住宅購入を近いうちに」と考えている方は、消費税増税前にしっかりとライフプランシミュレーションをしておき、増税前でも増税後でもどちらでも対応できるようにしておくことをおすすめします。

家づくりコンサルティングでは、ライフプランシミュレーションから身の丈に合った家づくり可能予算を把握し無理のないマイホーム計画をサポートしています。
ぜひ住宅購入ライフプラン診断よりご相談くださいね。

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